西武ホールディングス、需要減響き481億円赤字 通期は過去最大の最終赤字に


 西武ホールディングス(HD)が発表した2021年3月期第3四半期決算(20年4月1日~12月31日)の純損益は、481億4200万円の赤字(前年同期は368億2900万円の黒字)となった。新型コロナウイルス感染症の影響による需要減少、施設の営業休止などが響いた。通期業績予想では純損益が630億の最終赤字と、過去最大を見込んでいる。

 売上高は、前年同期比41.6%減の2524億4600万円、営業損失が370億7200万円、経常損失が441億9500万円だった。

 営業収益は、都市交通、沿線事業が同28.9%減の920億円に。鉄道、バスの運輸収入の減少のほか、沿線レジャー施設の営業休止や利用減少、駅利用者の減少によるエキナカコンビニ「トモニー」への来店者数が減少した。ホテル・レジャー事業は、国内外のホテル、ゴルフ場、横浜・八景島シーパラダイスなどの利用客の減少、営業休止が影響し、同65.6%減の626億円となった。

 必要運転資金確保への取り組みでは、主力取引金融機関を中心に1570億円を新規借り入れするほか、コミットメントラインを600億円から1500億円に拡大。12月までに2400億円超の資金手当てを行っている。

 このほか、人件費や広告宣伝費、販管費の削減などに取り組み、固定費をコロナ前見込み比で約350億円減少。通期で620億円の削減を目指す。

 今後は、農産物輸送、路線バスの自動運転の実証実験や西武園ゆうえんちのリニューアルオープン(21年春予定)、スマートコインロッカーを使った駅配サービス「BOPISTA(ボピスタ)」の展開などを行う。5月には年度末決算と合わせて新中期経営計画を発表する予定。

 21年3月期通期決算予想は、売上高が3320億円、営業損失が560億円、経常損失が640億円、純損失が630億円。

 
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